« Turning Point | トップページ | 今、望む世界への旅立ち(2) »

2006年5月25日 (木)

今、望む世界への旅立ち(1)

ジャスティスを受領し、いよいよ本当の意味でのターニングポイントを迎えることになるアスラン。
受領の際に交わしたニコルパパとの会話。
「君はニコルの仇を取ってくれたじゃないか。・・・犠牲はもうたくさんだ。だからこそNジャマーキャンセラーの搭載にも踏み切ったというのに…」
アスランにとっては複雑な言葉だっただろう。
ニコルを死に追いやったのは自分たちであり、その怒りのまま仇討ちとして戦った自分。親愛なる友を殺すしかなかった自分。その”敵”であった友が生きているという知らせに驚愕しながらも、どこかでホッとしている自分。
たとえ立場は違えども、誰しもが「こんな戦いは早く終わらせたい」という思いでいることには変わりないのだということは、痛いくらいに感じながら。

地球に降下し、戦いと出会いの軌跡をたどるアスランは何思う。
「では、ご自分でご覧になったものは?」 一石を投じたラクスの言葉が甦る。
何かを決めるには、まず自分自身を信じなければならない。誰に左右されることなく、自分の目で耳で見て聞いて、確かめて、そして感じる。そこで初めてわかるものが必ずあるはず。もう一度過去をたどることで、その時自分に見えなかった何かをみようとしたのではないかと思う。
視点は反対ではあったけれど、同じ場所で同じものを見、同じ戦いを繰り広げた自分たち。同じだったハズの”キラ”には見えたものを。
偶然か必然か、マルキオ導師との邂逅もまた、見えなかったものへのヒントとたりえ、そして今のキラを知る上での(生存の確信も含め)大切なプロセスとなったことは確かだろう。

確かにキラは生きていた。
戦闘中の見慣れぬMSを前に、そのうちの一機がフリーダムであり、すなわちキラだと把握した時のアスランはおそらく、まず“安堵“だったことだろう。
けれど圧倒的にフリーダムが不利な戦況であり、キラの危機に己の使命も忘れ(?)思わず援護してしまうのは、いかにもアスランであり納得以外の何者でもない。
もし、対戦相手が地球軍ではなくザフトだったら・・・その時アスランはどうしただろうか?
もしかしたらそれでもアスランは、、、イヤきっとアスランなら同じ行動をしただろうと私は信じる。
「この介入は、俺個人の意志だ。・・・」

長い時と軋轢を経て、やっとやっと語り合うことが出来た2人。
望むもの、想いは同じだった。同じ疑問を持ちながらも、そうと知らずに戦ってきた自分たち。
”変わらずに、変わっていく”ふたりであり、お互いにそれを確認し合うふたり。
簡単に言えば”成長”ということなのだろうけれど、この場合はもともとあった形のない漠然とした想いを”表現”するすべを得たということであり、本質的にはなんら変わっていないということになる。それが、
「キラ、変わったろ。」というカガリの言葉に対する「いいや、やっぱりアイツだよ」というアスランの答えだろう。いかにアスランがキラの性質をよく知っているか、ということだね。それはキラがアスランの、であることも間違いないだろうけれど。

そうだなぁ、例えばそれは”スーツCD1・2”でキラが「”トリィ”を作りたい」と言った時と同じ感じではないだろうか。

「ちょっとまて、今なんて言った?」
「鳥」
「トリ?」

「この位ちっちゃくてさ、手の平や肩にとまって、で、こう首傾げて鳴いたり・・・」
「まさか・・と、ぶ?」

「そりゃ、飛ぶでしょう、鳥なんだからっ!」
「”飛ぶでしょう”、じゃ、ないだろう?!。。なんだってそんな!...あぁ.~~...キラ、ホンキ?」

「え?ダメ?カワイイと思うんだけどさ」
「そりゃカワイイだろうけどさ、そんなの本気で自分で作れると思ってる?」

「やっぱ難しいかな?」
「決まってるじゃないか!首傾げて鳴いて、肩にとまって、飛ぶんだろう?!」

「うん」
「俺にだって簡単じゃないぞ。それがマイクロユニット苦手なキラに、2週間で作れるのか?」
「うっ」
「キラ、課題なんだから、条件を満たしていればいいんだ。もっと簡単なのにしろよ。」

「...ん~~~」

マイクユニット製作がすごく嫌いなキラなのに、アスランでも一筋縄ではいかないようなモノを作りたがる。すでに頭の中ではできあがっている完成品を夢見ながら。
どうせなら欲しいモノ、欲望に忠実なキラ。自分の現在の能力以上のコト
を平気で口にする。この時点で出来る出来ないは二の次であり、ひょっとしたら”誰かの助けが有れば出来るかもしれない”という甘い考えもちょっぴり含んでいるのだろう。そして言い出したら聞かないのがキラ。
アスランに言わせれば、キラのマイクロユニットは製作は”苦手”であってまったく”出来ない”わけではない。要はやる気の問題。

状況も話している内容もまったく異なることであり、その深刻さは比ではない。けれど”トリィ”を”夢”に置き換えてみたらだうだろう? まさに同じような会話をしていないか?このふたり。

そんなキラが今、本気でやる言う。戦わない為に戦うのだと。
無茶だとわかっている選択をし、それでもやれるだけのことをやってみると言う。
たとえ諭してみても、このキラの決意は止められない、ということは当のアスランが一番よく知っている。
変わらないキラ。変わったとしたら、自分に頼らなくなったコトくらいか・・・?驚きと納得とが入り交じり、嬉しくもあり寂しくもあるアスランだろう。ほんのちょっぴりの不安と心配も含めてw

”誰かの助け”・・・想いを同じくする人たちが集まれば、可能性は少しずつでも高くなるかもしれない。けれど「一緒に行こう」とは言わなかったキラ。アスランの立場も理解できるのだろう。
「---ぼくたちも、また、戦うのかな...」
”君がこのままザフト軍として立ちはだかるというのなら、僕らは戦うしかないんだね”という意味が込められた言葉であり、本当は戦いたくなんかない、君もそうだというのなら・・・という希望も秘められた言葉。
それは、キラの精一杯のメッセージ、と私は受け取ったけれど。。。多分あすらんもだよね?

・・・・つづく >>>


恐ろしく長くなりそうだから一旦休憩!(笑)

« Turning Point | トップページ | 今、望む世界への旅立ち(2) »