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2006年7月 9日 (日)

「カガリと、カガリ・ユラ・アスハと、アスランと」-3章カガリとアスラン-

無人島で出会った「アスラン」という名の敵かもしれない少年。 

キラとは違って、殆ど“敵”。まず緊張感が違う(ハズなんだけどなぁ・・そう言い切れないのがなんともw)
自分を“女”だと知ってからの態度にはどこか粛然としないものを感じつつも、彼の本質は心優しい少年であり、彼もまた無益に、好んで戦争をしているのではなく、自分の思う正義の為に戦っているということを知った。(まだ命令に従うだけのものだけど) 

キラを探して、代わりに見つけたのがアスラン。思いがけない再会。キラとアスランの関係性やアスランの葛藤や苦しみを知ることとなり、それでもアスランに対してそのままの憎しみに近い感情をぶつけるカガリだ。
「殺されたから殺して、殺したから殺されて、それでほんとに、最後は平和になるのかよっ」
誰にとっても心に響く名言。この言葉はアスランの目を覚まさせる言葉であり、ずっとアスランの心に刻みこまれることになる。が、カガリにしてもともとあった漠然とした思いがここで初めて言葉として形付けられ、それをアスランにぶつけたことでその本当の意味を悟り、昇華させ、真に慈愛の心を手に入れたのではないかと思う。キラを亡くした心の痛手はカガリにしても決して小さなものではなかったはず。自身の悲しみの心を押し留め、慈愛の心でアスランをみつめることによって、アスランを気遣うことができたカガリではなかろうか。
「おまえ、危なっかしい。護ってもらえ」 

それによってキラの敵であった彼が、自ら友を手にかけたのだと言いながらも、その死に対して自分と同じように、もしかしたら自分以上に嘆き、悲しみ、苦しんでいることを知った今となっては、そこに感じられる不器用さが、さぞかし危なっかしく思えたことだろう。 

キラと同じように悩み苦しんでいたキラの友達。多少なりとも関わってしまった自分としては、やはりそのままやり過ごすことなどもう出来ない。それがカガリか。 


「危なっかしい」
前にも書いたけど、多分アスランにとっては青天の霹靂。そんなことを言われたのは初めてのことだったのではないかと思う。「よい子で、しっかりしていて、優等生。」いつも言われるのはそんなものばかりだったから。 

ラクスは、アスランを良く見ていてかなり正確にアスランを理解(把握)しているのだと思う。アスランの誠実さや正義感、意思の強さやその能力。真っ直ぐで固くてやや柔軟性を欠くということも知っているから、その”プライド”に直接訴える形でアスランに突き付ける。
カガリはまた別の角度からアスランの本質を見抜いた。その表面にはほとんど出さない(最近は出まくり?) 苦しみや迷いや葛藤を肌で感じ取り、意識的にも無意識的にもアスランに癒しと安らぎと、勇気と元気と、とにかくいろんなものを与える。そこからアスランの笑顔を引き出せるはカガリだけなのではないだろうか。
カガリの言動は、とにかく良くも悪くもほとんどが本能的であり、感覚的なもの。ThinkingではなくFeeling。それは何も考えていないと言っているのではない。言うなれば第六感のようなものか。とにかく勘がいい。

生きて戻ったキラとアスランの話をしたカガリ。キラにしかわからない話であり、報告するのは話の流れとして当たり前なのかも知れないけれど、カガリがずっとアスランを気に掛けていたから出た話題なのだと思う。 

苦戦するフリーダムにまさかの援護。そのMSのパイロットがあのアスランであり、互いで話し合う為に歩み寄る二人に嬉しさいっぱいのカガリ。「おまえらぁ~」って二人に飛びついて泣き出すカガリ。こうなってはやっぱり誰もが友達感覚。
キラとアスラン話し合い時、二人の為に飲み物を運んだりして甲斐甲斐しく世話をする。ウキウキ気分とでもいおうか(表現的には良くないけど・・別の意味での嬉しさという意味で)。ただ素直に友達の再会を喜んでいるのだろうね。その後、とにかく黙ってアスランに張り付いていたカガリ。アスランに話しかけられるまで黙っていたのは、考え込むアスランを思い遣ってのこととは思うけれど、いざ話しかけられれば「見張っているだけだ」なんて言っちゃって。ホントはアスランと話がしたくてしかたがたなかったんじゃないの?ってバレバレだよね。キラはちゃんと生きていた。どんなにアスランが苦しんでいたのかをその目で見ていただけに、コレだけはどうしても言いたかったんだよね。「よかったな」って。

おそらく、ここで「よかったな」と言われたアスランは一瞬「?」なんだと思う。キラの生存はラクスに告げられた時にこそ動揺したとはいえ、今となれば既知のこと。でも、そこはすぐにカガリの優しさが心にしみてくるアスランだろうね。カガリにしてもそんなことはわかりきっていることであり、「よかったな」というのは、「キラが生きていて良かった」ということではなくて、アスランに対して「お前もよかったな」と言っているのだから。気持ちがあったかいよね。
キラにしても、アスランにしても、自分が「危なっかしい」と決定付けた少年のことはとにかくほっては置けないカガリだってことだ。(フォローも万全?w) 

「キラ。変わったろ」という言葉に、「どこか吹っ切れた感じがするキラはもうほとんど大丈夫」という意味が込められていたかはわからない。それに対するアスランの返答は、それとは噛み合わないものだから。でも、これを機会にカガリの気になる対象がアスランへと大きく傾き出したのは間違いない。
アスランの想いは自分たちのそれを殆ど変わらない。でもアスランには障害が多すぎる。そのまま危なっかしいヤツとして、ただ気になる存在なのか、既に惹かれはじめていたのか、この時点のカガリに自覚はまだない。 

アスランが再びフリーダムの援護に、オーブの為に出撃した時のカガリは嬉しさでいっぱいだったことだろう。おそらく、これが決め手だったのではないかと私は思う。 

自分の立場も顧みず、自分の意思だけで戦いに介入するアスラン。あんなに迷い苦しんでいたというのに。「やはり彼の想いも私と同じだ。」カガリの中での希望が確信へと変わる。
「彼は敵じゃない」。
まったく予想していなかったことではなかったはず。それでも「なぜ?」という思いが少しはあったのかもしれない。だからなんとなくアスランを目で追ってしまう。視線を感じたアスランと不意に目が合ってしまいドキッとしてしまう。ラクスの存在を知り、少なからず反応してしまう。危なっかしいヤツから気になるヤツへ、そして知りたい、知ってほしい存在に変わっていく。 

キラは二人の接点となった。けれど、その出会いからして、それは後からついてきたもの。明らかに、キラとは違った、意識上の存在と変化した・・・はずだった。


・・・つづく・・・ 

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