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2006年11月13日 (月)

呪縛はどーした?(完結編)

2回に分けるほどのものではなかったハズなのに、書き出したら止まらなくなってしまった。とにかく本題に入らずにタイトルだけ先行してしまったので、今度こそ本題へ突入し完結を。。。なんだけど、2回になった分で、やや濃い目に(笑)

『手紙』という映画を観た。 ・・・・いきなり脱線(汗)

兄はやんごとなき理由から強盗殺人を犯し、現在無期懲役にて服役中。
弟は兄の所業により、素性の知れた周囲からは偏見と差別の目で見られ、嫌がらせも後を絶たない。(名前こそ変えられないけれど)極力他人との関わりを避け、素性がばれないように、とにかく平穏に暮らすことを望む。それにもかかわらず素性がバレてしまえば元の黙阿弥。周囲の自分に対する理不尽とも思える差別に、諦めと苛立ちの両面で苦悩する弟。「兄は犯罪者かもしれない。けれど自分は兄ではない」
営業成績を上げ昇進するはずだった弟は、突然倉庫番へ配置転換となる。素性がばれたから。弟は職場の会長から直々に「差別されるのは当然」と諭される。
何故当然なのか・・・偏見であろうとなんであろうと、人は、マイナスなモノには関わりたくない、同じに見られたくないという自己防衛本能に近いものを持っているからだろうと会長は言う。マイナスイメージのある者を会社の顔には出来ない。そのまま会社のマイナスイメージに直結してしまうから。君の家族が犯罪者だという事実はすなわち君の評価となる。当然差別の対象となる。兄は、自分以外の何かに及ぼす影響も考えなければならなかったのだ。罪を償わなければならないのは自分ひとりだけではない、ということを失念してはいけなかったのだ。
・・・とまぁ、そんな感じのお話。

「で?」っ言われると困るのだけど、「アスラン、どーよ。」ってふと思ったものだから。。

本編でもスペエディⅠでも、”父=パトリック・ザラ”の呪縛がアスランの心を掻き乱し、掻き立てたわけであり、その部分を”『手紙』の会長”とは180度違う解釈を持って「父上は父上。君は君だよ」ってな具合に言葉巧みにアスランを言いくるめ、利用しようとしたデュランダル議長だった。戦犯と犯罪者とではカナリ異なるけれど、罪の意識という点では近いものではないかと思う。
最終的にアスランは父とは異なる道を選択し、その立場では多大なる功績を挙げた。とはいえA級戦犯の息子であることには変わりない。また、それ以前にはMSの奪取や戦闘行為(破壊活動)も当然のように行っていたし、そのザフトの視点から言えば反逆ともいえる脱走までしている。つくづくアスランって・・・・(大汗)
それはともかくとして、現実的に180度違う解釈を突きつけられると、さすがに引っかかってくる。SEEDの世界でも、単に「アスランでしょう?」ってわけにいかないんじゃないの?ってね。
以前、『ザラの呪縛』にて”議長の言葉には頷ける”と書いたけれど、これはまずいか~って感じになってしまった。とはいえ、やはり『ザラの呪縛』で、”(罪の意識を)一生背負っていくんだよね、アスランはきっと。”とか、”「ザラ」の名の呪縛は永遠に続く”とか書いているわけで、感覚的にアスランとは、”自分は自分、人は人、いわんや「家族」をや。”ってな具合に割り切ることが出来るような人間ではないと思う私なので、アスラン自身が無神経な振る舞いをするようなことはないと、その辺りは全く心配していないのだけど、(というか議長のところ以外に根本的なところで思うことに変化はないし、書いたことを覆すつもりも無いけれど)、ただこの先に「アスラン・ザラ」の名前が、何かまた別の障害になり得るのではないかと、そんな不吉な予感を持ってしまった、ということが言いたかった。これはアスカガの未来としては大ピンチでしょ?(でも、まぁ、ずっと”ザフトの敵”だったキラ・ヤマトが”白服”着れちゃうくらいなのだから杞憂に終わると思う(思いたい)のだけど、アスランっていっつも貧乏くじ引いちゃうからさぁー)
もちろん、理解者と共にこれからの新しい世界を構築していく上では、その人間自身の願いであり思想であり、努力と行動如何なわけで、過去や名前が何であれ弊害となることはまずないと思う。(英雄の方がよっぽど厄介かもしれない) とにかく”戦争”だったわけで、大なり小なり誰もが同じ穴の狢といえばそう。理解者も得やすいとは思う、が・・・・・。既にある世間はどうかな~ってね。(プラントの住民は集団洗脳に弱いからなぁ~。みんなコーディネイターで頭は良いはずなのに、”烏合の衆”なのは何でだろう?地球人も似たり寄ったりだし)

スペエディⅢでは、ラストの∞ジャスティスの発進時、「俺は、アスラン・ザラ・・」の「俺は」がカットされていた。それは元になる「アスランでしょう?」がカットされたからであり、「俺はアスラン」を強調し、こだわる理由がなくなったからだと思った。
本編では、アスランが”∞ジャスティス”に乗る決意をするまでには間があったし、もうすこし苦悩や逡巡が感じられた。(やっぱり悩んでいないアスランが原因か?) 回想も本編ではしつこいくらい繰り返されてしまったけど、無ければな無いであっさりしてしまうものだ。
私は、「俺は~」の本編にアスランの強い意思が感じられて、とても好きだった。
内なる自分自身では全てが自己責任であり自己完結の世界だ。そして思考の段階に「私は誰だ」という名前の概念は必要ないだろう。けれど決断を下した瞬間それは言動となって外なる世界へと移行するわけで、決断を下した者とは誰なのかを明確にするべきだろう。それは”俺”だと、その”俺”はアスラン・ザラだと、言葉として発し、周囲に知らしめることで後戻りは不可能となり、それが覚悟にもつながる。人と名前が一致したとき、人は”名前”に付属するその歴史と存在のすべてを取り戻すことになる。出来ることならそうであって欲しかった。人は名前とは切り離せないもの。”名前という呪縛”は一生付いて回るものなのだから。

42話では、ラクスとの会話の意味をとことん考え、その答えである「俺はアスラン・ザラ、ジャスティス出る!」にアスランの復活を確信し、狂喜乱舞の放送当時だった。しかしスペエディⅢでは、(ラスクとの再会~発進まで)個人的に好きな名場面としてランクインしていた場面だっただけに、変更されたことに対してとても残念でならなかった。けれどその残念な理由が、いまひとつ漠然としたままカタチに出来きないず、そのままタイミングを逸してしまっていた。そんなこととは全く無関係に『手紙』を観た。映画は日常的に良く観るのだけど、この作品には心が揺さぶられ、久しぶりにその根底にあるテーマを深く思索することとなった。「当然」の意味、犯罪者とその家族の事、「名前」という呪縛などなど。そのうちに本編でのアスランとスペエディでのアスランをふと思い出した。そうしたらスペエディでも「俺は」って言って欲しかった理由、何故意思が強く感じられたのか、何故好きだったのか、何故それほど残念に思ったのかに行き着いた。
アスランには、「俺は」ということで、曖昧模糊だった自分の中の自分を確立させ、過去も現在も未来も、全てを取り戻してそして手に入れて欲しいと、そんな風にずっと願っているからだったんだよなぁー、って思い出した。

様々な経験が人間を成長させ形成していく。そんな中でアスランは潰れちゃうくらいに重いモノを背負ってしまった。今後も更に何かを背負っていくことになるのだと思う。(例えば、やっぱり重いものを背負っているカガリとかw) でもそれは当初の「自分はアスラン・ザラだから、何かをしなければならない」という強観念とは全く違うもので、「アスラン・ザラとして、試行錯誤を繰り返しながらも、ひとつずつ何かを成して行こう」というポジティブなものとして、これからは名前を大切にしていけるのではないかな、とまぁ、久々に”あすらん全開”な思考に染まることとなった(笑)

近頃、SEED関連の記事を書くのも見るのも読むの億劫なくらいにモチベーションが下がっていた。スペエディⅢでの"セリフの変更"については記事に書きたいと思っていたし、書くつもりだと宣言までしていた。にもかかわらず全然その気にならない。これはいったいどうしたことだ?
実はスペエディⅢはTV放送以来一度も通して見直してなかったりする。他の作品に浮気しまくって気分転換をしたり、なんとか”物”で刺激をと金銭的にもやや危険域にまで突入してみたり、色々あがいてみたけれどなかなかねぇ・・・だった。楽しみにしていた「THE EDGE」ですら、まったく効果は得られず。(どころか逆効果?w) なのに『手紙』という全く無関係な映画が復活させる切っ掛けになるなんてね、面白いものだ。脳ミソの使う部位が一致していたのかもしれない。なんというか、居眠りし始めていた部分を刺激した感じ?(笑) そして『邪魅の雫』にも助けられたかな? 私も、何かに憑かれていたのかもしれないみたいだし(笑) 
とりあえずは持ち直した、と思う。それなのに今は「ネタがない!」というのが致命的。発売したてのアニメ誌でも劇場版関連では何の情報も確認できないとのことだし。また下がる前に「なんとかしてくれ~」と願いつつ、辛うじてもう直ぐ発売の「THE BRIDGE」特典:豪華ブックレットを一応楽しみに待ちたいと思う(期待出来る類のものではないと思うけど)

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